イケオジになれない40親父のつぶやき

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EU離脱案、大差で否決

こんにちは。たかはしまことです。

英議会下院は15日夜、政府が提出したEU離脱合意案の採決を行い、英領北アイルランド問題をめぐる不満などを背景に、反対多数で否決しました。

2016年6月に実施された”英国がEUを離脱すべきかを問う国民投票”にて、48%対52%という僅差で離脱支持派が勝利し、欧州離脱(いわゆるBrexit)が決まったわけです。投票率は70%を越えていたそうですから、大多数の国民総意が反映された結果と言えるでしょう。かつて大英帝国として世界の覇権をほしいままにした英国ですが、今でもそのプライドは生き続けています。離脱派の主張は、EU主導(=ドイツ主導)ではなく自国に主権を取り戻すこと、移民受け入れを自国でコントロールすること等でした。特に移民受け入れに関しては、流入した移民の安い労働力によって自国民の就労機会が奪われるという認識がありました。離脱派は高齢者が多く、今後の経済的影響を懸念した若い世代は反対派に回るという世代間格差も話題になりました。

国民投票で離脱支持が打ち出された後も、なかなか一筋縄では進んでいないようです。今回否決されたのは、円滑なEU離脱に向けた協定案の採決でした。離脱から2020年末までを移行期間とすることや、在英、在EUの双方の市民が引き続き社会保障を受給する権利を認めることなどを定めており、昨年11月に英国・EU双方で合意していました。3月末までに双方議会で批准手続きを終わらせることができなければ、いわゆる「合意なし離脱」となってしまい、その影響は計り知れません。現在はEU域内として人と物の自由な往来がどうなるのか。長い年月と血の抗争を経て沈静化した北アイルランド問題も、地続きのEU加盟国アイルランドと間の「非常措置」を巡り再燃してしまうことも懸念されています。

三者の立場から報道を見るだけでは、あまり現実的な議論になっているとは思えないのですが、経済のみならず民族問題も複雑に絡む難しい議論ということでしょう。